石川遼(17)=パナソニック=がギネス級の柔軟性を目指す。男子、女子、シニアの対抗戦「日立3ツアーズ選手権」のジュニアイベントが、千葉・キングフィールズGCで行われた。トークショー&レッスン会で、石川は腰に当てた両腕を90度前方に出す驚異の柔軟性を披露。肩の可動域が広いという飛ばしの秘けつを伝授しただけではなく、世界一の柔らかさまでトレーニングを続けると誓った。
驚異の柔らかさに会場がどよめいた。雨のためラウンドレッスンが中止となり、代わりにクラブハウスで行われたトークショー&レッスン会。「どんなストレッチをしてるんですか?」というジュニアの質問に、石川は両腕を腰に当て、そのまま腕を前方に90度曲げた。石川の隣にいた古閑美保は絶叫。柔軟性では定評のある片山晋呉も「これは出来ないな」と驚いた。矢野東は「これ、やってみよう」と、自身の練習メニューに取り入れることを決めた。
「ストレッチの中心は肩甲骨と肩の回りです。肩が柔らかいとスイングアークも大きくなるから、飛距離が出るようになりますよ」石川の飛ばしの原動力はどっしりした体幹、背筋力、そして肩回りの柔らかさ。父の勝美さん(52)の勧めで、小学生のころから家とコースを往復する車の中で肩回りのストレッチを続けてきた。しかし、現状では満足していない。「ツアーで一番柔らかい選手になりたいし、ギネスブックに載っている人はもっとすごいですから」究極の目標は、曲芸師のように体を操れるギネス級の領域だというのだ。
最終18番で劇的バーディーを決め、男子ツアーの連覇を導いた日立3ツアーズ選手権で今季の全日程は終了。今オフはトレーニングを週に2回から4回に増やし、股(こ)関節回りを重点的に鍛える予定だ。「試合が終わってすごく寂しい。修学旅行が終わった気分ですね。オフの間も毎日ゴルフのことは考えて過ごします」尽きることのない向上心とゴルフへの愛情がある限り、石川の成長は止まらない。
◆ジュニアも賞金王スイングに興味 小~高校生まで参加した48人のジュニアからは、片山への質問が集中。スクエアに立つ方法や左打ちで素振りをする効果などを丁寧に教えていた。唯一、ミニスカートで登場した古閑は「勉強との両立は?」という質問をされた。「私はほとんど一夜漬け…」と照れながら答えると、中嶋から「聞く人を間違ったな」と、突っ込まれていた。