若き石川遼にあのタイガー・ウッズは何を語ったのか?
ゴルフ以外のことに興味を持て。
ゴルフ界のスーパースター、タイガー・ウッズ(33)=米国=が石川遼(17)=パナソニック=に“学問のすすめ”を説いた。
あこがれの存在が初めてくれたアドバイスは、意外なものだった。石川に対し、ウッズが公式会見で普通の青春を送るよう助言した。
実はウッズの会見前、“王様”パーマーが石川に関し「アドバイスをひとつ送るとしたら、“普通の生活”を経験するべきだということだ」と発言した。ウッズもそれに同調し、「一番大切なのは、興味をそそる対象をゴルフ以外から見つけることだと思う。普通に生活して、普通の10代の人々がやることを経験することは彼にとってすごく大事なこと」と訴え、報道陣を通じ石川へメッセージを送った。
石川と初対面したパーマーは「学校へ行ったり、ゴルフ以外のスポーツもしたりしてほしい。タイガーだって学校へ行き、教育を受けた」と説明。ウッズは史上最年少で全米アマを初制覇した94年にスタンフォード大学に入学(2年時に中退)。趣味はバスケットボールをはじめとするスポーツ全般、釣りやスキューバダイビングなど多岐にわたる。
一方の石川は「ほかのスポーツは“かじる”ではなくて“触る”程度ですね」。今回の米入り後も練習漬けの毎日を送っている。4月には杉並学院高3年生になり、来春に卒業予定。大学進学の道もあるが「年齢的には(同世代の)ほかの人たちは考えているだろうけど、ぼくはそこまで余裕がなくて大学のことは考えていない。でも勉強はしたい」と話した。
「彼が(ゴルフ以外の)何かを見つけて、それができるようになるといい」とウッズ。世代を超えた2人のスーパースターからの金言は、石川にどう響くか。
石川遼が不調だ。
USPGAツアーのトランジションズ選手権最終日は22日、米フロリダ州パームハーバーのイニスブルックリゾート・コパーヘッドコース(7340ヤード、パー71)で行われ、石川遼(17=パナソニック)の米ツアー2戦目は、76を叩いて通算9オーバーの71位に終わった。米ツアーで初めての賞金は1万692ドル(約103万円)を獲得したが、新スイングの悩みは残ったまま。アーノルド・パーマー招待(26日開幕、ベイヒル・クラブ&ロッジ、フロリダ州)に向けて、新スイングを指導するマイク小西氏も合流したが、コーチの父・勝美氏との間で石川が板挟みに陥る危険性も出てきた。
ホールアウト後に練習場に直行した石川の悩みの深さを象徴していたのが、フェアウエーでのショットをイメージした練習だった。同行した父・勝美氏がターフが取れる打ち方を指示するのに対して、小西氏の指導で取り組む新スイングはターフを取らない。ダウンブローからアッパーブローへの改造。石川は練習中に何度も「(ターフを取ると)マイクさんには怒られるよ」とぼやいた。
上から叩くか、下から打ち出すか。その1点についても消化し切れていない様子が見て取れたが、新スイングはアドレスの構えからフォローの形、体重移動の方法など、多くの変更点がある。今大会前から取り組んだ新スイングの迷いが、最終日はスコアに直結した。
スタート直前に同伴競技者が棄権。初の1人きりのラウンドで、ティーショットを曲げては深いラフにつかまってボギーを叩いた。15番パー3では30ヤード以上もグリーンをショートするなど、アイアンの距離感の乱れも相変わらずで、4日間プレーした73人のうちでパーオン率は最下位。フェアウエーキープ率も71位。73人中71位のスコアに「体の回転のスピードが落ちて、インパクト付近でボールに合わせにいってしまった。4日間で一番悔しい内容」と表情はさえなかった。
23日のアーノルド・パーマー招待のプロアマから小西氏が合流。米ツアー初のプロアマにもかかわらず、必死の調整を行った。一方で、新スイングを試したうえで、石川に合う部分だけを取り入れる“いいとこどり”をもくろむ勝美氏は「僕の持論は先生と違う部分もある。やってる本人が一番、迷惑かもしれないけど」と話した。“2人の先生”がどうリードしていくかによっては、石川の混乱に拍車がかかる恐れもありそうだ。