LPGAツアー第30戦『富士通レディース』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)の2日目が
千葉県千葉市の東急セブンハンドレッドクラブ(6,591Yards Par72)で行われた。
今日は昨日の好天から一転して曇り空。
朝方は肌寒く、時折強風が吹く難しいコンディションとなったが、
次第に気温が上昇し風も弱くなると、好スコアが続出した。
そのなか、初日4アンダーで首位スタートの李知姫(イ チヒ・韓国)と上田桃子が共に
4バーディー1ボギーとスコアを伸ばし、通算7アンダーで首位をキープ。
1打差の3位タイにはこの日のベストスコア66をマークした横峯さくらと5連続バーディーなどで
スコアを伸ばした丁允珠(ジョン ユンジュ・韓国)が続く。
また初日首位タイでスタートした飯島茜は76とスコアを落とし、23位タイに後退した。
【首位2名のコメント】
■李知姫(4バーディー1ボギー)
「昨日よりショットがぶれていましたが、60台で回ってこれたので・・・。
自分の中では良い感じです。今日は久しぶりの最終組で緊張するかと思っていたのですが、
出てみたらそうでもなかったです。
最終ホールで5~6mのバーディーパットが入ってくれたので良い流れていけそうです。
(明日は)チャンスがきたので優勝したいです。頑張ります!」。
■上田桃子(4バーディー1ボギー)
「今日は、前半のロングホールの2ホールでバーディーが取れたのが、良かったと思います。
今週は3日間ノーボギーを目標としてきましたが、今日出てしまって(16番でボギー)本当に悔しかったです。
でも次の17番でバーディーがとれ、切り替えられたし、明日につながるゴルフができました。
明日は今日よりも寒く風が強くなるようで難しくなると思いますが、まずボギーを出さないようにしたいです。
爆発的なスコアが出てもおかしくないコースなので、相手を意識せず自分がスコアを伸ばして
勝ちに行きたいです。最終組でよい戦いができればとは思っています」。
「負けてもいいから片山さんに向かっていきたい。攻めがぼくのゴルフ。
がんがんプレッシャーをかけるように頑張りたい」
トップに立って力む小田小田は片山にとって、最も嫌な相手に違いない。
ドライバーショットは300ヤード。今季絶好調、パットよし。
29歳のダークホースは、勝負の第3ラウンドを強烈なダッシュで乗り切った。
スタートホールで4メートルのバーディーパットを決めると、
グリーン上、パッティングに火がついた。
5番下りの6メートル、4番5メートル、6番はなんと13メートルがカップに飛び込んだ。
タフな日本オープン仕様の難コース。
「400ヤードを越えるホールはドライバー。アゲインストなら2番アイアン
3番アイアンでフェアウェイキープ。ぼくのスタイルです」と言い切ってパワーゴルフは全開だ。
さすがに中盤の9、10番でボギーが出たが、「タフなコース。想定範囲内」と慌てない。
ショットも曲がったが、我慢してパーを拾って迎えた最終18番パー5。
ピンまで258ヤードを2番アイアンで20メートルに乗せると鮮やかにバーディーで締めた。
プロ9年目で未勝利だが、今季急成長だ。春の中日クラウンズ3位、
石川遼の優勝で話題のマンシングウエアKSBカップ4位、JCBクラシック、KBCオーガスタ各2位など
トップ5に5回はいっている。
獲得賞金4565万円、賞金ランキング7位は生涯最多、
初のシード権を決め、あとは優勝するのを待つばかり。
「日本オープン、一番欲しいタイトルです。意識すると緊張するけど、
初優勝できたら最高。ま、片山さんをやっつけたい」インタビュールームでは満面の笑みで屈託がなかった。
福岡県の飯塚市出身。「シード選手になるためにいろいろな選手のプレーを盗んだ」と明かす。
なかでもトレーニング法とアイアンは同じジム、同じ練習場の伊澤利光から教えを受けるなど環境はいい。
今回勝てば、その伊澤が95年の日本オープンで達成した初優勝が日本オープンと並ぶ偉業となる。
身長176センチ、体重は「100kg越えていると伝えられたが、それだけはやめてくれ」と”秘密”。
しかし、父でコーチの小田憲翁さん(62)に鍛えられた少年時代は、さながら劇画ドラマ。
「なにしろ小学2年から6年まで平日は腕立て、背筋、腹筋、ダンベルの左右を日に各300回。
それができないと、殴られた。はい、ボールを打つのは土曜と日曜です」
いまは死語となった感のあるスパルタ教育で仕立て上げたゴルフは、
片山の理詰めのアスレチックゴルフと好対照、おもしろい争いとなった。
明日、日本オープンの勝利の女神は誰のもとに?
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