石川遼が不調だ。
USPGAツアーのトランジションズ選手権最終日は22日、米フロリダ州パームハーバーのイニスブルックリゾート・コパーヘッドコース(7340ヤード、パー71)で行われ、石川遼(17=パナソニック)の米ツアー2戦目は、76を叩いて通算9オーバーの71位に終わった。米ツアーで初めての賞金は1万692ドル(約103万円)を獲得したが、新スイングの悩みは残ったまま。アーノルド・パーマー招待(26日開幕、ベイヒル・クラブ&ロッジ、フロリダ州)に向けて、新スイングを指導するマイク小西氏も合流したが、コーチの父・勝美氏との間で石川が板挟みに陥る危険性も出てきた。
ホールアウト後に練習場に直行した石川の悩みの深さを象徴していたのが、フェアウエーでのショットをイメージした練習だった。同行した父・勝美氏がターフが取れる打ち方を指示するのに対して、小西氏の指導で取り組む新スイングはターフを取らない。ダウンブローからアッパーブローへの改造。石川は練習中に何度も「(ターフを取ると)マイクさんには怒られるよ」とぼやいた。
上から叩くか、下から打ち出すか。その1点についても消化し切れていない様子が見て取れたが、新スイングはアドレスの構えからフォローの形、体重移動の方法など、多くの変更点がある。今大会前から取り組んだ新スイングの迷いが、最終日はスコアに直結した。
スタート直前に同伴競技者が棄権。初の1人きりのラウンドで、ティーショットを曲げては深いラフにつかまってボギーを叩いた。15番パー3では30ヤード以上もグリーンをショートするなど、アイアンの距離感の乱れも相変わらずで、4日間プレーした73人のうちでパーオン率は最下位。フェアウエーキープ率も71位。73人中71位のスコアに「体の回転のスピードが落ちて、インパクト付近でボールに合わせにいってしまった。4日間で一番悔しい内容」と表情はさえなかった。
23日のアーノルド・パーマー招待のプロアマから小西氏が合流。米ツアー初のプロアマにもかかわらず、必死の調整を行った。一方で、新スイングを試したうえで、石川に合う部分だけを取り入れる“いいとこどり”をもくろむ勝美氏は「僕の持論は先生と違う部分もある。やってる本人が一番、迷惑かもしれないけど」と話した。“2人の先生”がどうリードしていくかによっては、石川の混乱に拍車がかかる恐れもありそうだ。
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