東海クラシック最終日はスパイダーマンことカミロ・ビジェガスがツアー初優勝を達成した。
コロンビア出身の25歳が、2年目の三好を制した。
プロ4年目の藤島豊和とのプレーオフ2ホール目。
第2打を、さらに内側につけた藤島に対し、
先に6メートルのバーディパットを沈めて、揺さぶりをかけ、
激戦にピリオドを打った。
参戦2年目の米ツアーでも優勝はまだで、これがビジェガス自身のプロ初V。
「日本で、しかもこんな難しいコースで勝てたことは、非常に感慨深いものがある。
ぜひこれを機に、アメリカでも優勝したい」。
「自信」という何よりの手土産を持って、未来を切り開いたビジェガス。
一方、注目の石川遼クンは通算14オーバー44位タイで、2試合連続のベストアマチュア賞を獲得。
先月17日に16歳の誕生日を迎えて、初めてのツアー。
史上最年少優勝から数えて3戦目となった今大会。
特にこの日最終日は「一番、苦しんだラウンドでした」と遼クンは振り返る。
もともと、タフな三好のセッティングに加えて週末は2日間とも雨。
表向きは元気一杯の高校1年生も、やはり「見えない部分で疲れがあって、
スイングに影響してしまった……」と、唇をかむ。
開催前から宣言していた「毎ホールでバーディを取るつもりでやる」
という目標には変わりはなかったが、「今日はどうやっても
ティショットが曲がってしまって。ボギーでも仕方ない、というような、
簡単にスコアを落とすゴルフになってしまった」と、悔しがる。
前半のハーフを40で折り返すと、15番でティショットを池。
最終18番では第3打を、またもやグリーン右サイドの池に打ち込み
ダブルボギー。
「100ヤード以内からのミスがまったくなかった。やっぱり、
PGAで戦うビジェガスはすごい。自分はまだまだだ・・・」。
表彰式で席を並べたチャンピオンに改めて、尊敬のまなざしだった遼クン。
開幕前に幾度も練習ラウンドを重ね、入念な準備をして臨んだものの、
44位タイが精一杯。
「プロの人たちは、これを毎週やっているのがすごい。
僕には、1週間戦えるスイングが必要です」と、課題をあげ始めたらキリがない。
「でも、こういうラウンドを重ねることで、成長できると思うから」。
ひとつ新しい舞台を踏むたびに、ゴルフの内容ばかりかそのコメントも、
ますます磨かれていくようだった。
今週、訪れたギャラリーはのべ19,310人。
16歳とは思えない存在感で、熱狂的な名古屋のゴルフファンを魅了したこの4日間であった。
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10月11日(木)に神奈川県の相模原カントリークラブで
開幕する第72回日本オープンゴルフ選手権競技の
予選ラウンドの組み合わせが、プロアマ大会が行われた
10月日9日(火)に発表された。
16歳のアマチュア、石川遼くんと同組で回ることになった
中嶋常幸は、「誰と回ろうと、スタートすれば関係ない。
人を見る余裕もない」としながら、翌10日(水)には、
石川遼クンとの練習ラウンドを予定。
注目される遼クンのプロ転向の時期についても
「アマチュアでもっと活躍してからで良いのではないか」などと、
その動向を大いに気にかけている様子。
昨年の日本プロシニアで、自身8個目の「日本」と名のつくタイトルを手にした中嶋は、
「私の残してきた記録を敗れる可能性があるのは、いまは彼ぐらいしかいない」と、
遼クンの実力と才能を高く評価しているようだ。
ウッズの全米アマ3連覇についても触れ「遼くんにも日本アマとか、
日本オープンとか…そういうタイトルを獲れる選手になってほしい」と、
エールを送る。
遼クンについて「彼は宝石。いかに磨いていくか」と表現した中嶋は、
「教えるというよりは、彼ほどの選手ならば、どこまで吸収できるか。
・・・もちろん自分にも、何か盗めるものがあればいいんだけれど」と、
おどけて言った。
あと10日もすれば53歳の中嶋プロ。
13年前に発症した背中の痛みはいまだ消えず、朝晩の入念なトレーニング、
ストレッチで和らげるのが精一杯だとか。
今年の舞台は、もともとパー5が6つのパー74だが、
そのうち2ホールをパー4にしてパー72のセッティング。
660ヤードのパー5(3番)もあり、若手と遜色ない飛距離を誇る
中嶋といえど、厳しい戦いになることは間違いない。
「背中がラフに耐えられるか。自分の体がどこまで持つかだね」と
苦笑したが、痛みに耐えて、難コースと格闘するその姿こそ
16歳への何よりのメッセージとなるだろう。
【中嶋、遼クンらと同組で回ることになった谷原秀人のコメント】
「今週は遼くんとの初ラウンド。どういうゴルフをするのか、
目の前で見てみたい。中嶋さんとも一緒で豪華な組み合わせだし、
負けたくない。コースは、フェアウェーさえ捉えていけば
まずまずのスコアが出るのでは。頑張って4アンダーくらい出したい。
小技をしっかり練習して臨めば、大丈夫じゃないか。
(先週の欧州ツアーから戻ったばかりだが)疲れはぜんぜんない。大丈夫です」
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